コネール美術館



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話題提供         


 “談話室”ではおしゃべりしながら、美術品に対する造詣が深まることを

期待している、と述べました。うるさい美術館など、美術館ではないと考える

人も多いでしょう。しかし、私は感じる、考えるだけでは進歩はないと思ってい

ます。

 ここではどんなことをおしゃべりするのか、その一例を示します。全てある定

まった答えがあるわけではありません。一般にはこう言われている。しかし、

自分はこう思うという答えでもいいのではないでしょうか。

 話題 1  美術作品に対するプロの目、アマチュアの目・・・・・作品展で、

特選に入ったものと、そうでない作品を比べ、その選考結果は自分の考えと

一致することが多いでしょうか。 ただ好みが違うから結果が合わないという

のであれば、何故好みに差が出るのでしょうか。 選考委員達はそれぞれの

考えを持っているでしょうが、最終的には大筋で合意し、判定を下します。好

みの違いはあるはずですが、しかし最後はまとまるのです。

 度々、審査結果が理解できないことに遭遇するのであれば、それはプロの

目とアマチュアの目が異なるからということになります。 どのように異なるの

でしょうか。 近くにいた人と話してみてください。コネールの談話室はそのた

めのものです。

                               
             

                  滝平二郎 作   こぶし

  また、自分は審査員の判定結果は良く理解できる、色々な展示会で遭遇

した審査結果に特に不満を感じたことはない、という人も多いでしょう。しかし

、判定結果が公表され、審査員が人望の厚い人であれば、そのことが見る

人の判定を左右してしまうことも事実です。ギャラリーで作品の値段を見ずに

自分の評価をして、その後、値段を見て確認するなどはどうでしょうか、意外

と一致しないことが多いのではないでしょうか。そんな訳でプロの目とアマチ

ュアの目について考えてみてください。

話題 2  美術作品はその作家の出身地で、値段が高く、そこからはなれ

ると安くなります。なぜでしょうか。 美術作品は名古屋の作家のものを北海

道や九州で買うときは安く、名古屋では高くなります。

 これは、美術品の値段はどのようにして決まるのか、ということに関係しま

します。 一般の商品と美術品の値段が決定される要因は同じです。美術品

が特別ではありません。しかし、価格決定に関し、美術品の方が要因の種類

が多いかもしれません。

 美術品の価格決定要因について考えてみてください。

話題 3   作家が存命中より、

死亡後に作品の値段が上がっ

た。ところがその逆の場合も。理

由は?


  これはそんなに難しい問題で

はありません。作家が死亡する

とその作家の作品は増えません

。逆に傷みや、火災などで減少し

ていく方向です。希少価値の増

大が見込めます。しかし、その逆

の場合は?

   
    谷野明夫 作  盒子

    盒子(ごうす): 

    蓋も容器として使用できる入れ物


 話題 4   百万円で購入した作品は、10年後、20年後でも同じ値段で売れる

        でしょうか?   
 
  画家の死後、その評価が上がることは良くあることです。また、その作風が古く

なり、人気が無くなり値段が下がるのも良くみられます。 ここでは、そのような理

由でなく、世の中の景気が大きく影響することに注目すべきでしょう。

 美術品はなくても、生きるのにそうは困りません。ですから不景気になると作品は

極端に売れなくなります。更に手持ちの作品を処分してお金に替え、営業資金とし

て使用する場合も見られます。そんな人が多くいると、最高額で購入した場合、不

景気の時は3割くらいの値段になることもあります。美術品の価値が変わらないに

もかかわらず、そのように変動するのです。

 一方、景気が良くなると、美術品の値段は上がります。俄か成金は最も楽しみ多

い投資案件と考えるらしいのです。この美術品の上下は株の上下と連動している

と考えてもいいでしょう。  世の中の空気により、上下する美術品を考えると、

 美術的価値と作品の評価額は全く別のものとの考えも肯けます。



 話題  5  国立の博物館、美術館に学芸員はいません。しかし、学芸員は博物

       館法で置くことが定められています。 なぜ、国立の博物館、美術館に        
       学芸員を置かないのでしょうか。
 
 理由は簡単です。 博物館法で、博物館は学芸員を置かなければならない、とい

っているのですから学芸員がいない博物館は博物館ではないことになります。 国

にとってはそれが重要です。国の博物館、美術館の学芸員は研究員といい、同じ

仕事をしています。国は何も困りません。ではなんでそのようなことになるんでしょ

う。考えてみてください。



   この話題提供は順次増やしていく予定です。しかし、談話室のお話がうるさい

、というクレームがあれば中止します。 矛盾した話ですが コネール美術館に同

時に複数の鑑賞者が来られることを願うのも事実です。



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     The Conehl Museum of  Art



   
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